痛みが強いことで知られる「尿管結石」ですが、日本人の発症率は約10%であり、10人に1人が尿管結石になる計算であり、身近な病気といえます。
痛みの特徴は、「突然始まる腰背部痛」「痛みに波がある」「吐き気・血尿」を伴う事も多いです。
尿管結石は基本、若い人の病気ですので、50歳以上で初発という可能性は低く、その場合は、大動脈解離など重症な血管病変を鑑別する必要があります。
尿管結石の原因は、約80%がシュウ酸カルシウム結石です。尿にシュウ酸が多いと、尿中のカルシウムと結合して、結石ができます。
結石の出来やすい人は、動物性タンパク質の摂取量が多い、野菜やカルシウムの摂取量が少ない(体が酸性に傾きやすく、シュウ酸が作られやすくなる)
尿管結石の予防は、飲水1500~2000ml以上/dayです。
カルシウムを多く摂りましょう。カルシウムは腸内でシュウ酸と結びつき、便として排出しやすくなります。
結石は夜に作られるので、夕食から就寝まで4時間以上空けるのが理想的です。
治療は、5mm以下であれば、自然排石が期待できます。外来では、ウロカルンという結石排出促進薬を使うことがあります。
シュウ酸結石を溶かす薬はありません。大きさ5-10mm以上で自然排石が望めない場合は、以下のような手術をします。
体外衝撃波結石破砕術(ESWL);体の外から衝撃波を与えて、尿管結石を破砕します。
内視鏡下結石破砕術(TUL);尿道から尿管鏡を挿入しレーザーで破砕します。