「睡眠時無呼吸症候群」は近年世間一般で広く認知されてきました。
その症状として「日中の眠気」「集中力の低下」が知られています。
大体、男性4人に1人、女性で10人に1人、1時間に5回以上、息が止まっており、さらに「眠気」「集中力の低下」などの症状が出ている人は、男性で20人に1人、女性で30人に1人程度いるといわれています。
最近では、睡眠時無呼吸症候群と心血管との関連が話題になっています。
下記は睡眠時無呼吸と心血管疾患との合併率です。
高血圧 30%
心不全 60~70%
心房細動(脳梗塞の原因となる不整脈)50%
心筋梗塞、狭心症の方 30~40%
ビックリするくらい高いですよね。
特に治療に難渋する(降圧薬を3,4種類使う)高血圧症の方には、70~80%睡眠時無呼吸があると報告されています。
降圧薬を何種類使っても、なかなか血圧が下がらなかったのに、CPAP(シ-パップ:持続陽圧呼吸療法)を使ったところ、血圧が下がりだしたという事もよく経験されます。
夜、隣で寝ている人が、息が止まって60~120秒した後、「ヴァー!!」という大きな声をあげながら、呼吸を再開するのを見た事がある人は、感覚的に「あ~、これは体に悪い」と実感されると思います。
これを見た妻や友人の方が、あわてて「早く病院に行った方が良い!」と勧められるというパターンが受診の典型例です。
最近思う事ですが、睡眠時無呼吸の訴えの女性の受診者の方は少ないな。という事です。
女性は元々、睡眠時無呼吸の方が少ないのもあるとは思いますが、やはり女性でイビキをかくのを知られるのが、恥ずかしいという心理があるのではないかと思います。
イビキだけならまだよいですが、無呼吸もあると一度検査をされたら良いと思います。
睡眠時無呼吸の検査は、保険診療で約3000円(3割負担の方)、ご自宅で2日間簡単な検査機器をつけて寝て頂くだけです。
当院で簡易検査をして、さらに精密な検査が必要と判断した場合は、昭和大学病院付属東病院睡眠医療センタ-にご紹介しています。
センタ-長の安達 太郎先生は循環器専門医であり、さらにアメリカの名門 Mayo Clinic で、睡眠時無呼吸症候群を研究され帰国されました。循環器疾患と睡眠時無呼吸症候群の両方のプロフェッショナルです。
睡眠時無呼吸症候群の疑いがある方、イビキ、無呼吸を指摘されたことがある方、ご相談ください。