体の色々な部位が痛くて、悩んでいる方は非常に多いです。
ご高齢の方はもちろん、若い方でもリウマチ関連疾患で痛みがひどく、仕事など日常生活に支障が出ているケースもあります。
今月の日本内科学会誌に「痛み」について記載がありましたので、まとめてみたいと思います。
一言で「痛み」といいますが、「痛み」を理解してみましょう。
肩が痛い方がいます。もちろん、五十肩などがあって、肩に病変があるのでしょう。
しかし、痛みを認識しているのは肩ではなくて、肩の病変部位から出たシグナルが神経伝導経路を通り、脳に伝わり、脳が肩を痛いと認識しているのです。
痛みには大きく分けて2つあります。①痛みの原因が病変部にある場合と、②その痛みを伝える経路にある場合です。例を挙げると腰が痛い(①のパターン)その痛みを脳に伝える神経経路の障害(②のパターン)
ここで問題になるのが、②のパターンです。病変部は治っても、痛み伝達神経が脳に痛み刺激を伝え続けることがあります。
例えば、触覚、温度の情報を痛みの情報として伝えてしまうのです。
このような場合は、痛覚神経が過敏になっているので、本当に小さな痛みもすごく強い痛みと感じてしまいます。
通常、痛み刺激を感じると、脳から大量にドパミンが放出され、鎮痛作用のあるオピオイドが産生されて痛みを抑制するシステムが働きます。
しかし、うつやストレスがあると、ドパミンが十分に産生されず、結果オピオイドも産生されず、痛みへの防御機構が破綻してしまいます。
逆に好きな音楽、心地よい匂い、好きな食べ物はドパミンを増やすので、痛み抑制に効果があります。
痛みに悩む方は好きな音楽をかけて、すきなアロマを焚いて、すきなお茶を飲むのも効果がありそうです。