高血圧症で血圧がなかなか安定しない方、心不全で入退院を繰り返している方は、食事の塩分量を見直してみる必要があります。

日本人は塩分をどの位、摂っているのでしょうか。

徐々に減っていますが、男性で1日10g、女性で10gを少し切る位です。

塩分の目標値は一般の方で男性1日8g未満、女性1日7g未満で、高血圧の方は1日6g未満が推奨されています。

面白いデータがあって、「減塩をしていると言っている方」と「減塩を特にしていないと言う方」の差は、平均で1g位しか差がないようです。

ここに減塩療法の難しさがあります。

食塩摂取の8~9割は調味料を含む加工食品から摂取しています。

世の中、便利になってお惣菜、レトルト、冷凍食品を利用する事が多くなっています。

できる限り、自分で調理、味付けをする事が良いと思います。

お蕎麦、ラーメンなどのおつゆには塩分がたくさん含まれています。汁そばよりも、つけそばの方が減塩になります。

お醤油もバーと全体にかけるのではなく、醤油を小皿にとって食べる分だけつけるという工夫も必要です。

また、カリウムを摂ればナトリウム(塩)の排泄を促進することから、果物や生野菜などを摂ることも効果的です。

しかし、高齢者の方があまりにも減塩に気を使いすぎて、味が薄くなりすぎて、お食事が不味くなり、低栄養になりフレイルという「虚弱状態」になり、寝たきりに繋がるような事は注意しなければなりません。

何事もバランスが大事という事ですね。

さいとうファミリ-クリニック