2019.12中国武漢で始まった新型コロナウイルス感染症。

2020.3.7時点で世界90か国以上に拡大し、WHOがパンデミック(感染の世界的流行)を宣言しました。

日本でも1月16日に最初の報告がされて以来、約2か月間が経過し、新型コロナウイルスの概要が少しわかってきました。

新型コロナウイルス感染症の経過

1.感染から約5日間(1-14日間)の潜伏期間を経て、

2.感冒様症状(発熱、咳、喀痰、咽頭痛、鼻汁等)、倦怠感が出現し、

3.一部の患者では、嘔吐、下痢などの消化器症状を呈する

4.それらの症状が比較的長く、約7日間持続する

普通の風邪、胃腸炎では発症から3,4日目をピークにして、その後改善に向かうのが一般的な経過ですが、新型コロナウイルス感染症では症状が長引くという特徴があります。

症状が7日間続いた後、次のような経過をたどる。

5.約8割の患者は、自然に軽快して治癒する

6.約2割の患者は、肺炎を合併する。特に高齢者や基礎疾患のある場合は肺炎を合併しやすい

7.肺炎を合併した患者のさらに一部が、重症化して人工呼吸を要する。

普通に風邪から入院するような肺炎になることは稀ですが、入院するような肺炎を約2割という確率で合併するのが、新型コロナウイルス感染症の特徴です。

致命率ですが、高齢者(80歳以上)では14.8%、循環器疾患10.5%、糖尿病7.3%、慢性呼吸器疾患6.3%、高血圧6.0%に対して、健康成人は0.9%です。

一方で小児では重症化はほとんどしません。小児における新型コロナウイルスは普通の風邪を同じ経過をたどると考えられています。 (日本プライマリケア連合学会 新型コロナウイルス感染症 初期診療の手引きより)

マスク不足、消毒液不足が言われていますが、守るべきは高齢者や基礎疾患を持った方々だと考えます。

インターネットを含めて、新型コロナウイルス関連のデマが散見されます。パンデミックを迎えて、新型コロナウイルスの正しい知識を持ち、冷静に対応していく事が必要です。

さいとうファミリ-クリニック