逆流性食道炎の症状は実に多彩です。
主たる症状は「胸やけ」「胃もたれ」が多いですが、「咳」「胸痛」などの症状もあり、喘息や狭心症との鑑別に頭を悩ます事も多いです。
最近、逆流性食堂炎の方が増えてきているという報告があります。
原因として、日本人の胃酸が濃くなってくていると考えられます。
胃酸が濃くなる原因の1つめは、現代はストレス社会であるという事です。
現在はコロナ禍で、感染の心配と経済状態への不安を抱え、ストレス過多から胃酸の量も増えていると言われています。
胃酸が濃くなる2つ目の原因として、現代の日本でピロリ菌に感染していない方が増えているという事です。
ピロリ菌に感染すると、胃粘膜が萎縮して胃酸の分泌が少なくなります。
逆にピロリ菌未感染であると、いつまでも胃が若々しく、胃酸を出し続けます。
さらに高齢になると、食道と胃のつなぎ目が緩くなり、胃酸が逆流しやすくなるのも逆流性食道炎の原因です。
症状がなければ逆流性食道炎は、ほうっておいて良いのか?という問題があります。
逆流食道炎を繰り返していると、食道の粘膜が「バレット食道」という特殊変化を起こし、「バレット食道」から食道がんになることが知られています。
「バレット食道」も欧米で多く、日本では少なかったのですが、最近は食事の欧米化、肥満の方が増え、日本でも「バレット食道」への注目が集まってきています。
1年に1度の胃内視鏡検査をお勧めします。