何やら難しい言い回しになってしまいましたが、簡単に言うと、コロナ禍が長引く現在、医療従事者のメンタルヘルスに警鐘が鳴らされています。

このコロナ禍で医療従事者の約25%が不安、うつ傾向を示しているとの報告もあります。

「道徳的傷つき(moral injury)は元々、戦争経験者の心の病気に使用されていた用語です。

戦闘など望まなかった悲惨な行為をしてしまった自分を道徳的に許せず、自責感に囚われ、嫌悪感、無力感を感じてしまう事です。

Covid-19診療現場が、医療従事者の自分の意思に反した事の連続であり、自責の念にかられている事例が非常に多い事から、医療従事者に使われるようになりました。

日本では幸いありませんでしたが、ヨーロッパでは人工呼吸器が足りなくなり、医師が装着の優先順位を決めなければなりませんでした。

また感染のリスクを避けるため、物理的距離を取り、感染予防具越しに診察せざるを得ません。

患者さんに寄り添うことができず、「これでいいのか」と自問する医療従事者は多かったと思います。

また医師は、自分よりも患者を優先せねばならないという職業倫理が基本にあるので、私も依頼があれば、出来る限り発熱患者さんを診てきました。

医師は自己犠牲、奉仕の精神が当たり前で、自分の事は二の次と考えられてきました。

しかし、医師を含めた医療従事者こそ、身体も精神的にも健康でなくてならないと思います。

さらにより良い医療をご提供する為に、6月から診療時間を変更させていただきます。

ご迷惑をおかけいたしますが、どうぞよろしくお願い致します。

さいとうファミリークリニック