9価HPVワクチン(シルガード9)が定期接種化されました。
9価ワクチンは、子宮頸がん発症リスクが最も高いHPV16,18に加えて、次に高いとされるHPV31、45,52,58型に対して予防効果を持ちます。
さらに性病の尖圭コンジローマの原因となるHPV6,11型にも効果が期待できます。
9価ワクチンが普及すれば、日本の子宮頸がんの約90%が減少すると言われています。
しかしここで一番重要なのは、接種するタイミングです。
HPVワクチンは強力なHPV感染の予防効果はありますが、既感染に対する治療効果はありません。
HPVは性交で感染するワクチンなので、初交前に接種する事が非常に重要です。
初交前に接種した場合の予防効果はほぼ100%、初交後3年以降の接種は未接種者と変わらない。
接種年齢でいえば、15歳以下であればワクチン効果100%だが、19歳以降の接種では未接種者と大きな変化はないというデータがあります。
また、海外では女子のみならず、男子も定期接種の対象になっています。
HPVは咽頭がんのリスクでもある事と、男子に接種する事で集団免疫の効果で女性のHPV感染が減少する事が期待できるからです。
HPVワクチンの接種率は、オーストラリア、カナダ、イギリスで男女とも80%前後、米国が男女とも60%前後に対し、日本は女子のみで接種率はまだ約7%です。
今後は日本でも女子の接種率の増加と男子への定期接種化を期待したいです。