「エコノミー症候群」として知られている「深部静脈血栓症」ですが、一般の方に広く知られるようになったのは、「3.11の大地震」の後の避難所生活している高齢者の方に深部静脈血栓症が多発したことだと思います。
避難所の狭い場所でじっと動かず、トイレに行くのが大変だから、水分も取らずにいると、下肢の静脈にうっ滞がおきて、血栓ができます。
血栓の影響で、下肢のむくみ(象のあしみたいになることも)、さらにその血栓が肺に飛ぶと肺塞栓症をおこし、亡くなることもあります。
最近では、高齢者のフレイルと深部静脈血栓症が話題になっています。
フレイルとは、下肢筋力が低下して、歩行が困難になり、運動量が低下した状態です。
まさに深部静脈血栓症を引き起こしやすい状態といえます。
予防は、「第2の心臓」といわれている「ふくらはぎ」の筋肉を使う事です。
つまり「歩く」ことが最大の予防になります。
雨の日で歩けなければ、足踏みでもいいので、ふくらはぎの筋肉を使ってください。
診断は血液検査で、D-dimerの上昇が役にたちます。
治療は抗凝固剤を使用して血栓を予防します。
どうぞご相談ください。