逆流性食道炎の症状は、胸やけ、胸痛といったものから、咳、声がれ、虫歯など多彩です。
発症のリスクも最近になり、ある程度わかってきました。
① 肥満 (太ることで腹圧が上昇して、胃酸が逆流する)
② 喫煙 (喫煙により食道の動きが悪くなり、食道粘膜の酸の除去機能が低下する)
③ 遺伝 双子研究で胃食道逆流症の遺伝性は31-43%
減量・禁煙が重要です。
逆流性食道炎が難治化、治癒しても容易に再発するタイプは、要注意です。
食道に絶えず胃酸が流れ込むことで、食道の粘膜が胃の粘膜に置き変わり、いわゆるバレット食道になる可能性があります。
バレット食道はアメリカで成人の5%程度存在し、そのうち1.7%が食道腺がんに進行します。
内視鏡検査でバレット食道と診断された場合は、定期的な内視鏡検査が必要です。
食道がん全体(扁平上皮癌が多い)の5年生存率は40%ですが、バレット食道腺がんは20%以下と予後不良です。
バレット食道になると、胃酸を抑えるお薬を内服しても、逆流を防止するような胃の手術をしても、食道腺がんになるリスクを軽減する事はできないようです。
バレット食道の中でも、高分化異形成(がんではないが、がんに進行する可能性が高い)の場合は、その段階で内視鏡的切除が推奨されています。
日本ではバレット食道は少なかったのですが、逆流性食道炎の増加に伴い、頻繁ではないけれど、目にするようになりました。
逆流性食道炎の方、胸やけ、胸痛に悩まれている方は内視鏡検査をお勧めします。