人間ドック等で話題になっている「線虫がんリスク検査」は実際がんの発見に役にたつのでしょうか。

患者さんから、時々ご質問を受けます。

調べてみると、嗅覚に優れた線虫という生物が、尿に含まれる「がん特有のに匂い」を検知するという特性を利用して、ステージ1の早期がんにも高精度で反応する。 との事です。

ここで検知可能ながんは15種類のがんです。

①口腔がん・咽頭がん②食道がん③肺がん④乳がん⑤胃がん⑥肝臓がん⑦すい臓がん⑧胆のうがん⑨胆管がん⑩腎臓がん⑪大腸がん⑫卵巣がん⑬子宮がん⑭膀胱がん⑮前立腺がん

15種類のがん種の特定はできないそうです。高リスクと判断されたら、病院を受診してください。と説明されています。

15種類のがんを疑うのであれば、まずはPET検査を行います。

このPET検査は、自費検査(約10万円)になります。

2024年9月号の「臨床核医学」という医学誌に「PETがん検診と線虫検査に関する他施設調査」という報告が記載されています。

線虫検査でがんリスクが高いと判断された人にPET-CTなどの精密検査を行った結果、実際にがんが見つかる確率は1%未満(0.95%)だった。

という驚くべき報告でした。

もちろん、0.95%の方は発見されてよかったのですが、残りの99.05%の人は、不安な気持ちになり、約10万円かかってしまったという事になります。

このような報告もありますよ。という事を知っても尚、線虫検査を受けるのは個人の自由だと思います。

しかし、これはあくまで個人の感想ですが。。。

内視鏡専門医が、日々の内視鏡検査で、眼を皿のようにして必死に早期がんを発見しようとする努力と、尿の中で線虫ががんの匂い?に惹かれて集まるのが、同じがん発見精度ということはないと思います。

*N-NOSE(がん線虫リスク検査)は国の機関(PMDA)の承認審査を現在のところ、受けていません。

さいとうファミリークリニック