人間ドックで、胃内視鏡検査で異常なし。と言われたのですが、「胃が痛い、胃が張る」と来院される方がおられます。

「機能性ディスペプシア」かもしれません。

機能ディスペプシアは大きく2つに分けられます。

①食後にお腹が張るタイプ 食後愁訴症候群(食後膨満感・早期膨満感)

②食後に胃が痛くなるタイプ 心窩部痛症候群(みぞおちの痛み)

原因はストレスにより、自律神経が乱れて、胃の運動障害、胃の粘膜の知覚過敏をおこす事が考えられます。

現在の機能性ディスペプシアのガイドラインは2014年の初版の改訂版が2021年に出ています。

改定版と初版の大きな違いは、初版では機能性ディスペプシアの診断には、内視鏡検査が必須でしたが、改訂版では医師が必要と考えた時に行うと変更されています。

ガイドライン上は、必ずしも機能性ディスペプシアの診断に内視鏡検査は必要でなくなりましたが、やはり癌、潰瘍等の器質疾患は除外した方がよいと思います。

治療薬も初版後のエビデンスを取り入れて、初期治療薬に酸分泌抑制薬、アコファイド、六君子湯が推奨されています。

二次治療薬として、抗不安薬・抗うつ薬、アコファイド以外の運動機能改善薬、六君子湯以外の漢方薬となりました。

胃の検査しても異常ないのに、何か胃の調子が悪いな~。という方は機能性ディスペプシアかもしれません。

どうぞ、ご相談ください。

さいとうファミリークリニック